他者に対して語る言葉

obyさんの日記で知ったのだが、茂木健一郎がblogに今日付けで「日本のクリエィティヴにダメ出し。」という記事を書いていて、タイトル通り日本におけるクリエイターの内輪社会をこき下ろしている。『日本の「クリエーター」たちは、自分たちの世界を他者に対して語る言葉を持たない』そうだ。ものすごく苛ついているのがよく分かる記事で、とても面白い。しかし氏が暗に「クリエーター」の比較対象として想定しているはずの「研究者」が『他者に対して語る言葉』を持っているのかというと、僕にはかなり疑わしい。むしろコマーシャル・プロダクトという武器を持つだけ「クリエーター」の方がずっとマシな状況にいて、だからこそ「クリエーター」は安穏としているし、mixiでは誰もが「クリエイター・デザイナー」を名乗る現実がある。もちろん氏は理解しているからこそ記事にして、理解しているからこそ「目の前に東大生が二人いたので、オレはアジった」わけだけど。しかしクリエイターにしろ研究者にしろ、卒直に言って今日では誰かに『他者に対して語る言葉』を持つことを期待するのはかなり困難なのではないか。氏はそれが出来るから、本にテレビにひっぱりだこなんだろう。

http://youkoseki.com/diary/2005/10/24より