集団知の喧伝サイクル

最近、集団知の素晴らしさを喧伝するblogエントリーが目につく。Googledel.icio.usはてなブックマークdigg…などなどのサービスを賛評しつつ、いつの間にか背景にある集団知を褒めたたえていた、という構成が多い。しかし検索エンジンソーシャルブックマークの「こやし」であるblogは、既に集団知という機関の重要な部品であり、集団知を称えるblogは自賛の格好なのである。あるいは片棒を担いでいるという認識があるからこそ、集団知を褒めたくなるのかもしれない。もちろん、集団知は参考になる。正しいことも多い。でも、間違っていることもある。そして集団が間違えて認識していることは、ただでさえ訂正しづらい。この上、集団知などという権威的表現が加わればどうなるだろう?自画自賛をするつもりがないなら、集団知は肯定的に捉えるよりも否定的に捉えていくのが健全ではないかしら。

子供とお金

asahi.comに『「お金が一番大切」高校生の3割 マネーゲーム肯定4割』という記事があった。金融広報中央委員会が発表した「子どものくらしとお金に関する調査」の結果らしい。調査結果が委員会のサイトにあったので確かめてみると、一方で高校生の77.9%が「お金よりも大事なものがある」に「そう思う」と答えていた。悪くない結果じゃないか。『「お金よりも大事なものがある」高校生の8割』というタイトルだったら良かったのに。

続けて朝日は『「お金はコツコツ働いてためるもの」との答えが中学74%、高校66%を占めた一方、「賭け事で稼ぐのは悪くない」も中学34%、高校45%に達し、お金への意識は揺れているようだ』と書いているが、「〜は〜するものだが、〜も悪いとは言えない」という表現は、揺れというよりも、多様性に理解を持っていると言うべきではないだろうか。「お金は賭け事で稼ぐもの」という設問だったのならともかく。

それにしても「子ども」って表記はなんとかならないか。

Google Trend

ああああ、こんなものが。

はてな
渋谷、目黒か。

mixiとgree
目黒、渋谷。なんだかな。

Livedoor
成田、目黒。一瞬大盛り上がり。

YahooとGoogle
去年に一皮剥けた。

はてなダイアリー
さ、下がっとる!

NBAとNFL
ちゃんとシーズンに呼応してる。マカティって?

レイザーラモンHG
ああ、もうやばい。またなぜ目黒?

モヒカン族
瞬間的なブーム。

感想)
1.印象操作とか言われて訴えられたらどうするんだろ?
2.Googleは何人の情報学研究者の研究テーマを奪ってきたのだろう。

mixi対firefox

フォントの大きさを指定してくるサイトは本当にいらいらする。モヒカン族の影響なのか、最近はそうした自称アートなサイトはずいぶん減ったが(おっと、僕がチェックしてないだけかも)、大きな相手が一つ残っている。mixiである。

幸い、最近のfirefoxは自分で作ったCSSレンダリングし直すことが出来る。ついでに色々と試してみたが、こんな感じがいいんじゃないかと思った。

@-moz-document domain(mixi.jp){ 
  *{
    font-size:medium !important;
  }/*フォントのサイズを普通に*/
  a:link{ 
    color:blue !important;
  }/*リンクを青色に*/
  a:visited{ 
    color:red !important;
  }/*訪問済みリンクは赤色*/
  a:hover{ 
    text-decoration:underline !important;
    background-color:#ffffff !important;
  }/*リンクにカーソルが重なった時に変な背景色が入るのをやめる*/
  td,body,a.black,a.black:hover{ 
    color:#000000 !important;
  }/*文字をはっきりとした黒に*/
  a[href^="view_diary.pl?url="] {
    background-color:yellow !important
  }/*mixi外の日記は背景を黄色に*/
}

chrome/userContent.cssに上のように書き加えると、だいたいうまくいく。

はてな印象

はてな印象」を作った。はてなブックマークの暴力性というか、とにかく言いっ放しに出来るところに対して何か皮肉っぽい対抗措置はとれないかなあと思って、エントリーを読んでなるべく他人と同じタグを付けることが出来れば正解という「はてなブックマーク試験」を少し前に作ってみたのだが、沢山ブックマークされているエントリーをランダムに引っ張ってくる方法が浮かばないとか技術的な理由で、あんまり綺麗に完成しなかった。それでも他に手はないかなあと考えていたら、結局当初の予定とは全然関係ない「はてなブックマークのタグを用いてサイトの印象を浮かびあがらせる」という簡単なプログラムが出来た。

http://www.ii.ist.i.kyoto-u.ac.jp/~koseki/hatenaimpression/

個人と組織と世論と同情

逮捕によってホリエモン同情論は急速に勢いを失ったが、今度は変わってLivedoorの「中の人」同情論が聞こえてきた。主に「M&Aを中心に巨大化してみたものの、Livedoorは結局のところ虚業だった」というマスコミの主張に対抗するもので、「Livedoorは確かな技術で色々なサービスを提供してきた実績があって、虚業なんて断じるのは「中の人」が可愛そうだ」とかいう内容。なんとも趣深いことである。Livedoorの「中の人」やその周辺から直接声が聞こえてくる、blog時代の情報伝搬を象徴しているのかもしれない。

アメフト部の事件についても思ったけど、人とその所属組織を半ば同一視して物語を作り進めていくことに、今更こんなにも素朴な反発が起きるとはなかなか意外である。人=組織という見方は、どちら側からであれ逃れられないものなのだと僕はとっくに諦めていた。「京大って犯罪者を生み出すような風土なんですね」と言われても僕は甘受する。Livedoorも株価の推移や財務状況を鑑みるに、ITサービスをさておかれ「虚業」と言われても仕方ないだろう。例えば違法建築に関わった人や、アメリカで牛肉を裁いている人がblogを書いて、「ちゃんとした仕事もやってたんですよ、悪いことばかり書いてマスコミはひどいもんです」と内情を伝えたとしたら、そこに同情論が生まれるのだろうか。bloggerは人と違う新しい意見を求めているから、十分ありそうな気がする。そう考えると今日の世論ってとても楽しい。